空にはふたつの月が浮かぶその世界で
異質な塔に住む少女とロボット達。
「いつかあなたを愛してくれる人が現れる」
その言葉を少女は信じない。
『……そんな人、現れない……あなたも塔も捨てない』
『私はずっと、ここでみんなと暮らすの』
ぬくもりのない無機物の中で少女はずっと閉じこもっていた。
「俺の国へ来い、そこで俺は争いを止める」
そう言って連れ出す彼。
「ボクは君が思うような人間じゃない、最低で、どうしようもないんだ、きっと失望する」
そう言って拒絶する彼。
これはとある少女の恋物語。